こんにちは、CROSS OVERの主催のPEDDY POTです。

 

CROSS OVERの成り立ちについて、このサイト内でしっかり書き込んだことはありませんでしたが、どういう考えで活動をしているのか、そもそもなぜ活動が始まったのかの記載が足りなかったと感じ、少しでも多くの方に知ってもらえたらという思いから、このページを作ることにしました。

 

長文駄文ですが、もしお時間があればご一読いただけたら幸いです。

 

初めて台湾に行くもそのあと無職に 

 

遡ること2014年、私は元々大学でグラフィックデザインを専攻し、卒業後に更に服飾系の専門学校に入学するも、結局は知り合いの紹介で中小規模のデザイン事務所で仕事をしていました。

 

この時に台湾の出張に参加し、今まで海外に興味はあまりありませんでしたが、台湾の生活が思った以上に楽しく、日本以外のアジアの国について興味を持つきっかけが生まれ、現地の通訳と仲良くなるなど、知らなかっただけで自分には様々な環境があると身を持って体験しました。

 

しかしその後様々な社内問題により、私と通訳らは仕事を辞めてしまい、わずか1年以内で無職になりました。

無職になった自分に対し周囲の友人は普通に就活すればと勧められ、納得はしつつも、心のどこかで日本でまたおとなしく仕事をすればいいのか?せっかく新しい環境も少しは知ることができたし、また新しいとっかかりはないものか?と思いとどまってもいました。

 

初めて台湾に行った時の写真。これが全ての始まりでした。

 

シンガポール、インドネシアに向かうも現地で怒られる 

 

2015年、そんな中友人が、シンガポールとインドネシアで貿易関係の仕事している人の会議に出られることになったが、誰か一緒に行かないか?とTwitterに書いていて、もしかしたら何か仕事につながるチャンスがあるかもと思い、即座に友人に連絡しました。友人からすればまさか本当に私が来るとは思わなかったと驚かれましたが、その後無事に現地の人達とも合流し、会議に出席しました。

 

この間自分は参加以外特に何もすることはありませんでしたが、3週間の期間でしたがシンガポールとインドネシアを慌ただしく移動し、東南アジアの情勢を直接見ることができたのは本当に興味深いことで、自分もいつかこうした舞台で活躍したいと強く思いました。

 

しかし現地では、「確かに君はフットワークは軽いのかもしれないが、特に何かできることはあるの?いくら環境や場所が変わっても自分ができることがないと話にならないよ。今君の置かれている状況を把握して、その環境から脱しないと、このまま何もできないままだよ。」とかなりきつく指摘されました。

 

いくら新しい環境が自分にはあるかもと言ったところで、無職だし、元々就職活動をした経験はなければ、かといってフリーで活動していけるだけの実力もなく、今までの自分の仕事の成果や、履歴になるものなど何も説得力があるものを持っていませんでした。そんな初歩的なことにすら自分は気づいておらず、それでものらりくらりやってこれたことの方が問題だと指摘されたのでした。

 

初めてシンガポールに行った時の写真。再び海外に行けるチャンスを得るも、何もできず怒られて帰ってきました・・・。

 

焦ってばかりの毎日 

 

帰国後、焦ってとにかく手元に何か見せられるものがなければと思い、ポートフォリオに昔の活動を載せようと思いましたが、学生時代も卒業制作以外特に何か積極的に活動していたわけではなかったため、載せるものはあまりありませんでした。大学は既に卒業していましたが、その後入学した専門学校は退学していました。

 

何とかまずは作品を作ってどこかで展示してしようと思い、ポートフォリオをギャラリーに持ち込んでもあしらわれるだけでした。

 

 

今後自分がどうしたらいいかわからない中、何気無く撮影した当時の写真。

 

周りにはまだフラフラしてるのか、就職しろと言われ、もちろんまずは何かしら日本で仕事をして経験を積むのが一般論だというのはわかってはいたのですが、台湾でもシンガポールでもうまくいかなかったし、海外で必ず再チャレンジしたい、かと言って今何もできることはないし・・・というループ状態でした。

 

もう20代前半も終わるし、周りの友人は普通に仕事をしている中、焦燥感に襲われるばかりで、そんなダメな自分を見られるのが嫌で、周囲の視線が気になり、自信がなくなっていく負の袋小路にはまっていってしまいました。

 

先が見えないし、これからどうしたらいいのか・・・・。

 

友人に、自分は色々なところには行けたのに、何もできないまま時間が過ぎて、シンガポールでも自分が何もできないことをかなり言われてしまった・・・と打ち明けました。

 

しかし友人は、「色々なところに行けて経験ができて、しかも自分の欠点まで教えてもらうなんて、すごい経験だよ、誰にでもあることじゃないよ!」と言ってくれて、これは捉え方の問題だったんだとハッとしました。

 

確かに外国に行けば何かあるかもという発想は安易でした。しかしこうして動き回ったことで自分のダメなところがわかったわけだし、これからもっと動き回って経験値を高めるしかない。それと並行して自分に何ができるか考えよう!と思い立ちました。

 

いきなり台湾、韓国、ミャンマーで出展

 

2016年、かつて台湾で一緒に仕事を辞めた元通訳が連絡をくれました。

なんと、台湾最大規模のアートフェアのキュレーターと仲良くなったから、ポートフォリオ作って台湾に見せに来れば?とのことでした。最初内容がよく理解できませんでしたが、とにかくキュレーターに見せる作品を作るしかない!と目標ができました。今度こそチャンスはふいにできない!

 

しかし何を作ればいいのか?そこで元から好きだったグラフィックアートと、今自分が置かれている境遇を重ね合わせ、何も成し遂げられない自分への焦燥感、うまくいかない自分を誰かに見られているのではないかという他人の視線をイメージ化し、激しい色彩で神経質で雑念が渦巻く当時の内面を表現したシリーズPEDDY POT 2016を作りました。

 

PEDDY POT 2016の作品の一部。サイトはこちらから。

 

これでポートフォリオを作り、台湾に渡航し、日程を決めて元通訳の仲介でいよいよキュレーターと対面しました。しかし対面したからと言ってそれで展示が決まるわけではなく、私は冷や汗が止まりませんでした。

 

ポートフォリオを見たキュレーターは、あなたはおもしろそうなことをしているし、ぜひ出展してください、と言いました。私は、本当に嬉しいことですが日本でろくに活動した経歴もないのに、いきなり台湾のアートフェアに出展なんてできるんですか?と聞きました。

 

キュレーターは、確かにあなたは特別な経歴はないのかもしれませんが、そういうおもしろそうな人を見つけ出すことが仕事です。

と言いました。

 

アートフェアは私より何千万倍もすごい作家がたくさん出展しているはずで、なにもこの話は特別な事ではないのかもしれません。

しかし目の前でキュレーターと対面し、直接作品を認めてもらったことで、自分のやりたいことは気にせず自由にやっていいんだと、少しは自信が持てるようになりました。

 

今思えば自分は行動力はあったのかもしれませんが、活かし方がわからなかったのだと思います。しかしこの時私はもうこの道で進むしかないのだろうなと、覚悟を決めたのでした。

 

そして作品を作ること、海外の新しいフィールドを見ることを軸に活動を始めました。アートフェアまで半年以上時間はあったので、作品を作りながら台湾、香港、中国、カンボジア、タイなどを転々としながらポートフォリオを片手にギャラリーや会場を巡りました。

 

軍資金が尽きると帰国してバイトをしてお金が貯まるとまた出国する繰り返しでした。英語は今でも完璧ではないですが、時間があるときにオンラインレッスンを受けて勉強し、あとは現地でぶっつけ本番で練習していきました。

 

人見知りなので緊張してばかりでしたが、とにかく新しい環境に飛び込んでいきました。この時はまだ展示などに結ぶつくことはありませんでしたが、少しづつそれぞれの国の人が自分の活動に興味を持ってくれるようになり、知り合いや友人もできつつありました。

 

しかし日本に帰国するたび、海外をフラフラして日本では定職がないのか、アートで食べていくのは大変だから就職しろいう人もいました。しかしもう目標ができたからかそれを聞いても、雑音程度にしか聞こえなくなっていました。

 

そんな中、僕の行動を見た学生時代の教授から、韓国とミャンマーで行われる釜山国際デザイン祭に出展しないとかと誘われ、台湾のアートフェアよりも前に、いきなり韓国とミャンマーの展示に参加することになりました。出展者は現地に行く必要はありませんでしたが、直接現場に行くしかないと思い渡航しました。

 

釜山国際デザイン祭2016の様子。

 

韓国の釜山に着き、会場に向かうと確かに自分の作品があり、展示されていたのを見て、自分が今までやってきたことが少しづつ形になっていることを実感できました。そして主催の方と初めて対面し、レセプションの後も食事に誘ってもらったり、その後も車で宿まで送ってもらうなど親切にもてなしてもらったことを今でも覚えています。本当にありがたいことでした。

 

釜山国際デザイン祭2016ミャンマー編の様子。

 

韓国の後はカンボジアとタイで過ごした後、次の開催地であるミャンマーでも、わざわざ日本から来たのかと大歓迎されました。

そして日本ではあまり馴染みがないミャンマーのアートシーンを直接見て、アーティストの方と直接交流することができたのは、実際に渡航したからこそわかったことで、インターネットだけではわからないリアルな体験は今後の自分の強みになると確信しました。

 

台北國際音響藝術交流博覽會2016,2017年の様子。

 

その後最初に参加が決まっていた台北國際音響藝術交流博覽會にも参加し、台湾に再び向かいました。

いきなり大規模なアートフェアでかなり不安でしたが、始まると多くの人が見に来てくれただけでなく、参加している他のアーティストやギャラリーの方とも交流することができました。

 

数ヶ月前までは何もまともな活動をしたことがなかったのに、いきなりこうした舞台に出ることができたのは、最初は実感はあまりありませんでしたが、自分でも本当にこんなことがあるのかと驚きました。右も左も分からない中でしたが、自分はこの経験を通して、

 

 

何もできず日本で袋小路にはまっていた自分を引っ張ってくれた台湾のキュレーターのように、もっと他の人の活動の可能性が広がるようなきっかけを作りたい、そして今の身の回りの環境だけが全てではないことを知ってほしい!

 

 

と考えるようになりました。かつての自分のように、何かやろうとしても環境がなかったり、やりかたがわからず困っている人はもっといるかもしれません。身の回りの社会構造や意見にとらわれて気づかないうちに視野が狭くなってしまう人もいるかもしれません。

 

私は運よく海外の人たちに救われました。自分のことを認めてくれるところがあるのなら、場所は関係ないと思いました。別に海外が一番だと持ち上げる話ではなく、シンプルに行動範囲の選択肢が少しでも増えたらいいよねと思いました。

 

私には大きなことはできないかもしれないですが、今までの自分の経験が誰かの役に立つかもしれない、海外での展示をもっと作家の方に身近に感じてもらいたい!それを仕事にしたいと思い、手探りの中2017年の夏にCROSS OVERをスタートさせました。

 

CROSS OVERの設立

 

CROSS OVERは最初の2回は自分の友人6人を集めて行い身内感が強いものでしたが、3回目以降から新たな出展者が増え、経歴など関係なく、自らの作品に世界観がある方、言葉での説明は難しいですがこの人だ!と感じた方を集めるようになりました。

 

そして3年の間にサイトの記載通り、タイ、台湾、香港、フランス、イギリス、カンボジア、ミャンマー、マレーシア、シンガポールと行動地域がどんどん広がり、300人以上の出展者が海外で展示しました。現在は年のほとんどを海外で過ごし、自分の制作活動とCROSS OVERが仕事として成り立つようになりました。

 

CROSS OVER Vol.5 In Myanmarでは新聞掲載やテレビ放送、作品も一部収蔵もされるなど大盛況でした

CROSS OVER Vol.6 In Singaporeでは、現地の作家が運営するオルタナティブなアートスペースで出展させてもらいました。

 

CROSS OVER Part.7 In Thailandでは、見に来てくれたローカルの作家達と深くつながることができました。

 

CROSS OVER Part.8 In Taiwanでは、会場はオフィスでアート好きな経営者、コレクターが訪れ、作品が購入されたものもありました。

 

CROSS OVER Part.17 In Hong Kongでは、アートセンターの建物1階を全て使った今までで一番大掛かりな展示を行いました。

 

CROSS OVER Vol.20 In Franceでは初のフランス遠征を通じて集客はもちろん作品が完売した作家も現れました。

 

前述の台北國際音響藝術交流博覽會に2018年はCROSS OVER Vol.12として出展し、日本の作家の作品をアートフェアに持ち込みました。

 

CROSS OVERの展示ではないですが、懇意にしてもらったミャンマー側の紹介で現地のアートフェアにメンバー数人が出展しました。

 

このように、活動を始めた時からすると信じられないくらいことどんどん起きました。出展者の方は数多くいるため一例ですが、

 

 

◉ 最初はあまり興味はなかったが、純粋におもしろかった!

◉ 海外の別の展示に参加できるようになった!

◉ 作品が売れた!

◉ 海外から作品の依頼が来るようになった!

◉ 日本での活動がもっとできるようになった!

◉ 日本での就職、転職のアピールになった!

◉ ギャラリーに気に入られ、海外で個展を開くことになった!

◉ 活動に触発され、展示後に海外に移住した!(!)

 

など多くの声をいただきました。CROSS OVERの活動を通して、ハードルが高いと思われそうな海外の展示を少しでも身近に感じてもらい、少しでも今後の選択肢を広げるきっかけになった方も出てきました。

 

伝えたいこと

 

しかしそうは言っても、海外の展示の勧誘などはよくあるけど、CROSS OVERに大事な作品を預けて大丈夫なの?と疑問に思う方も多いと思います。

 

一般的に作家が海外の展示をやるとしたら、コマーシャルギャラリーに所属し、ギャラリーが展示を手配する方法、全て自分で調べて手配する方法、 代行業者に頼む方法がメインかと思います。

 

コマーシャルギャラリーに所属できるのであれば、それが一番ですが、それができる作家の数はほんの一部です。場所代などはかかりませんが、売り上げをギャラリーと折半する形態です。

 

そうではなく全部自分で手配する場合、私がそうでしたが色々な国の会場を直接巡って調べる方法です。地道なことですが私はその方法にやりがいを感じ、そこでの繋がりが今に生きていますが、現地に渡航するコストや時間と労力もかかり、片手間ではできないことだと思うので、これもできる人は限られると思います。

 

業者に頼む場合、色々な所で話題になっていますが、海外の展示に出展できるが何十万円の出展料がかかる、図録に載せるので何十万円かかる、などがの話がよく出てきます。

 

もちろんその参加費と内容に本人が満足できればいいですし、その仕事自体は否定しないですが、正直若手の作家や学生の方にはかなり高額だと思います。果たして払う額に見合う内容なのか、負担してまでやるべきなのか、考えないといけません。

 

そして勧誘がしつこかった、出展費が明示されていなかったなど、いくら展示はちゃんと行われていたとしても、出展までの過程があまりよくないパターンもあります。

 

他にも展示以降に作品が全然帰ってこない、作品が帰ってきたが粗末に扱われていた、果ては参加費を払ったが連絡が取れなくなったなどという論外なパターンも聞いたことがあります。このようなことはなってはありません。

 

しかしいくらCROSS OVERは一人の作家のプロジェクトだと言っても、作家が参加費を払うのだし、結局海外で展示を代行する業者と同じようなものじゃないかと意見がある方もいるかもしれません。

 

CROSS OVERは、ギャラリー所属でなくても、直接海外に渡航ができない方でも、駆け出しの方でも学生の方でも、もっと多くの方に海外の展示の入り口を広げる新しい選択肢になりたいと思い活動しています。

 

CROSS OVERは、確かに運営のために出展者の方から参加費を貰っています。その代わり作品が売れてもマージンはかからない方針にしています。全て内容はサイトに書いてある通り最初に全て提示しますし、後から追加で何か請求するようなことはありません。

参加費もできるだけ抑えるようにしていますが、かといって安かろう悪かろうではありません。

 

そして参加者も随時募集していますが、人数集めのために手当たり次第に声をかけるわけではありません。しつこい勧誘もしません。

展示も始まったらやりっぱなしにもしません。海外だからばれないだろうと、よくわからない会場で展示をすることもありません。

 

色々な方の協力があってここまで来れているのに、出展する方をないがしろにしたり、目先の利益に目が眩んだら、それこそ他の業者と同じです。そうなったら終わりです。

 

確かにCROSS OVERはギャラリーでもなければ業者でもないため分類が難しい部分がありますが、運営する私も作家の端くれとして、出展する作家がされたら嬉しいことや嫌なこと、要望などできるだけ作り手目線で考え、どうしたらお互いが満足できるかを、単なるビジネスライクとしてではなく個人として、考えて伝えることができるという強みがあります。

 

もちろん内容に対しての考え方、やりたい展示方法は人それぞれであり、CROSS OVERに対して納得できない方もいるかもしれないですし、答えがない難しい問題ですが、結局は価値観の違いで、参加する方が納得できるかどうかにかかっているかと思います。

 

右も左もわからない中アートの世界に飛び込んで、他の人があまり通らないような経緯で活動を始めたため、至らないところや改善点は沢山あるかもしれません。

 

それでも今まで何百人の方が参加してくれて、温かく応援してくれました。特に問題もなく今まで続いてきて、新しいフィールドがどんどん広がってきて、自分も参加してくれた方も、今後の展望がどんどん面白くなっていくその最中にいます。

 

 

私や出展者の方々が、どうしたらもっとよい関係を築けるのか、よい環境で活動できるのか、安心して活動に取り組めるのか、今後のあり方について引き続き考え、アップデートしていきたいと考えています。

 

海外と日本を結びつけることはもちろんですが、日本でも私と出展される方の関わり方を考えるのもCROSS OVERの一環だと思っています。

 

 

そのために本来でしたら、出展者や展示に興味がある方に直接毎回お会いしてご説明したいですが、出展者の方々は全国各地にいるため物理的に全員に会うことは難しいです。今までは帰国するたびに時間あればお会いしていた方もいましたが、現在私は海外在住で、新型コロナの影響で頻繁に帰国することも出来ないでいます。

 

ですので、これから出展を考えている方、もう出展された方、また興味がある方は、無料ネット電話(LINE、FBメッセンジャー)でご相談をお受けします。相談料金などはかかりません。

 

このサイトのコンタクトのページからまず一報ください。

 

 

私はCROSS OVERを通じて、誰かの背中を押すことができる可能性があることを本当に信じています。

 

 

何卒よろしくお願い致します。

 

PEDDY POT / 屋代 弘之